2024/09/23 15:59


季節と時間を感じながら、一生仕事がしたい。

そんな想いで漠然と夢見た田舎暮らし。

でも、田舎に住んだら美味しいパン食べられるの???
う~~ん、無理っぽい。じゃあ自分で作るか!!

そして、田舎の人にも美味しいパンがあることを知ってもらおう。


そうして私のパン屋修行は始まりました。

・・・

約5年間のパン屋での勉強を終え、ここ江与味に引越してきました。

どんなパン屋をしよう?大きな道すじは決まっているけれど、

細々したことは、これから決めないと...。

ガスや電気のオーブンではなく、石窯を選んだのはごく自然な流れでした。

私が楽しくパンを焼ける。

圧倒的な存在感で、ど~~~んと構える石窯に初めて会ったときの

あの感動。

薪を燃やしてその余熱で焼いた焼き立てのパンを食べたときの

あの感動。

たくさんの人が石窯を囲んでワイワイ楽しむ

あの時間。

あの楽しい時間を私の石窯の周りで体験したい。


材料のこともそう。

よく「こだわってますね」と言われるけれど、そんなことは無いのです。

ただ、科学的に処理されて作られているものに魅力を感じないだけ。

余計な手を加えずに。人の手でつくられた物を使いたかっただけ。

...ごく自然な流れなのでした。

天然酵母を選んだのも、

「パンを作る」って言う感覚がよりダイレクトに伝わってきて、

楽しいし、おいしいから。

作り手が「楽しい」って思いながら作ったパンの方が

美味しいと思うのです。

そうやって、ご飯のようなシンプルなパンを中心に焼いています。

こんな山の上の小さなお店だけ。

外に出したり、通販も考えていません。

周りの人からは「道の駅に出したら?」「インターネットで売ったら?」

と言われますが、私にはその気がありません。

直接、お客さんと話をしながら、販売したいのです。

「美味しく食べるにはどうしたら??」「これがオススメですよ~」

って、人と人とのふれあいを大事にしたいのです。

どんな人が買って行ってくれるのか、自分が育てたパンたちを

最後まで見届けたい。

ただ、売れたらいいって言う売り方はしたく無いのです。

営業は週に3日だけ。残りの半分は田舎での生活を楽しむ時間にしたいのです。

自分で野菜や米や小麦を作ったり。

ニワトリやヤギを飼ったり。

保存食つくりや薪割り・草刈・家の掃除・敷地内の整備。

やりたいことはたくさんあります。

いつか読んだ本に書いてあった、「半農半X(エックス)」と言う言葉。

生活の半分は農業や生活の為の仕事をして、

残りの半分は X=自分のしたい仕事 をして暮らしていこう。

夫婦2人が半分ずつ稼いで、残りの半分の時間は2人で楽しもう

って言う事を書いていました。このことに私は深く共感して

しまんと、そういう生活をしていきたいね、と話し合ったのでした。

そうやって、生活に必要なものはできるだけ自分達でつくり、

自然に還らないゴミはなるべく出さないで、

いつの間にかその辺に生えている、雑草の小さな花を見過ごさない

生活をしながら、ず~~~っとず~~~~っと

美味しいパンを焼き続けていきたいのです。


2006.04.06